僕が豚骨ラーメンにハマったのは、まだ少年時代に熊本の祖父の家で出前で取ってくれたラーメンだ。ラーメンにはラップが掛けられ、それが輪ゴムで留められている。東京・横浜育ちの僕は豚骨ラーメンなど食べたことがない。出前が届くとラップを外す前から既に漏れ出ちゃっている豚骨臭。人工透析中でラーメン禁止の爺ちゃんが外出の隙を見て注文してくれているようだ。そのラーメンの豚骨臭は瞬く間に家の空気を支配する。その臭うまラーメンは少年の記憶に深く刻まれた。そして大人になってその味を求めても、既にその店は閉店しており、その味を求める気持ちだけが宙に浮いたままになっている。
その味に近いのは早くから東京進出を果たした「桂花ラーメン」。それとは別に九州の博多ラーメンで感動したのは「しばらく」。ここは博多本店では食べたことがないが、支店の宮崎県延岡市で出張時に飲んだ後の楽しみで良く仲間と行っていた。熊本ラーメンとは違うが、心に染みる一杯だった。
そこで今回、くさうま 博多ラーメンって事で大人気の高円寺のここに行ってみた。↓
そう、ジョイフーズ サンコーです。 嘘です。その上の看板が本当で、「ラーメン 健太」です。ゲンコツや背ガラを炊いたスープを継ぎ足しながらスープを調整しているようだ。
今日は平日13時30分くらいに店に着く。並びは8名。店の前の臭いはさほど強くない。並び始めて20分位で入店。入店前にワンオペの店主が1,000円の料金を回収に来る。メニューは豚骨ラーメンのみで替え玉は無限。特に好みは聞いてこない。入店してすぐに左に置いてある水、レンゲ、おしぼりを取って席に着く。程なくラーメン着丼。コレだ ↓
白濁感はあまり無い。具材はシンプルにネギと海苔とチャーシュー。臭みも事前の期待値ほどでもない。しっかり豚骨を炊いているのは分かるが、旨みや塩味がそれほど強いわけでもない。スープもサラッとして飲んだ後には良いかもしれない。麺は博多から空輸で取り寄せているらしく、本場の味そのまま。
熱々のあっさり美味しいスープで歯切れの良い麺を食す。豚骨独特の香りは感じるが、極悪スメルってことはない。かつて博多の名店だと地元の人に案内された店で食べたのもそういえばこんな感じだった気がする。塩味や旨み調味料を入れたらパンチが効くのは多分店主もわかっていると思うが、敢えてやってない気がする。濃すぎないのでスープをもっと飲みたくなるが脂とり過ぎになるので我慢。ここで替え玉。皆さん2回以上替え玉しているようだ。なんか替え玉はしたくなる。折角並んだんだしっていうのもあるがやっぱり味変もしたい。僕も「替え玉ください!」と発信。僕の前に発信者がいたが、店主は僕に先に替え玉を投入。ちょっと気まずいが、調理中は客に背を向けているからワンオペではしょうがないよねって事。替え玉は初回より硬めだが、これも良し。ゴマと紅生姜、ニンニククラッシュを投入。ニンニクは入れた方が僕にはいいな。もう一回替え玉しようかとも思ったが、一旦今日は手仕舞った。大食い大会でもないし。
腹ごなしに帰りは原宿で下車。大好きな明治神宮をちょっと散策。
豚骨臭を吐き出し、スピリチュアルな空気を吸い込み中和ww。明治神宮には久々に来たが、8割以上外国人って感じ。外国の方にはこの神聖な雰囲気を是非感じ取って欲しいと思う。
このまま帰ろうかとも思ったが、どうしても熊本ラーメンの味を確認しておきたくなり、渋谷の桂花ラーメンへ。
やっぱり熊本といえばこれだ。ニンニクを焦がした黒マー油としっかり腰のある中太麺。固茹で卵やチャーシュー、メンマ、茎わかめもちょっとしょっぱいスープとマッチしている。独特の風味がクセになる。でも出来れば、もうちょっと塩分抑えてもらえないものかな。健太のスープを混ぜたらどうなるかな(怒られそうだけど)。まだまだ豚骨ラーメンへの探求は続きそうだ。