この2ヶ月ほど日経平均は27,000円を超えると、利益確定売りや空売りに
より頭の重たい展開が続いてきた。今日は終値で3月30日ぶりに28,000
円を超えた。今後の動きについてどこを注視すべきか今の考えをまとめてみた。
まず足元のイベントとして日本のメジャーSQがある。今回のSQでは大幅な買
いが入るとの情報があり、直近の上げはこの影響もあると思う。28,000円
付近に裁定取引のコールが積み上がっており、明日の場中と先物で28,000
円を死守することが予想される。
また、1月末までのハイテク株を中心とたグロースの急落により高値掴みした
個人の信用買いが積み上がっているが、その制度信用6ヶ月の期日が切れ出す
ので、需給が一気に改善する可能性がある。
コロナからの経済正常化加速も期待したい。僕の持株ではJR九州とANA。
岸田首相の評判が最近上がってきた。金融所得課税見直しや自社株買い規制で
投資家や経済人から岸田ショック呼ばわれされてきたが、今度は資産倍増計画
で貯金から投資へと言い始めた。同じ人の発言か疑いたくなるが、何にしろ金
融市場にとっては良いことだ。参院選に向けて具体的内容がわかってくるだろ
う。
ここからの注目ポイントは国内メジャーSQ明けの10日の値動き、それと同日
の米国CPIでのインフレ期待状況。特にこのCPIは翌週14日、15日のFOMC
の議論に大きな影響があると考えられる。このCPIで米インフレのピークアウト
の兆候が出れば6月21日から28,000円を支持線とした株価上昇が期待で
きるかもしれない。
前回の記事に記載したように、今後の株価は9月のFOMCで金利上げが0.25
以下か0.5%かが明暗の分かれ目になりそう。8月下旬のジャクソンホールで
パウエル議長が演説するまでの間は金利の憶測による株価乱高下は続くと思う。
日経平均についてはPERの割安感と円安により米国S&Pを上回る株価推移をし
ており、この基調は日銀黒田総裁の方針が変わらない限り続く。
一言で言えば、日経平均は需給の改善と円安により28,000円を支持線とし
た上昇トレンド形成。リスクは米国9月の金利動向。